2008年02月19日

ベーグルはなぜゆでるのか その1

今日は、大まじめにベーグル界を探求へGO〜。

ベーグル BAGLE
パンの一種でありながら、そのユニークな製法と食感、アレンジ性から独自のバラエティーが展開しているように思います。

では、相手を知るにはまず出生から。

歴史的には、1610年ポーランドのクラクフの書に、出産後の女性に「beygl」が贈られたと記されているのが初文献とされていますが、そのbeyglが何であったのかは現在はっきりしていないようです。

しかし、ポーランドではこんな風習もありました。
脂肪分が少なく健康的で手軽な食事だったベーグルは、妊婦や母乳を与えている母親の食事として取り入れられてきました。
また、赤ちゃんの「おしゃぶり(歯がため)」としても使われ、出産をお祝いするときに食べるような縁起の良い食べ物とされてきました。(これは同じような話でオーストリアのある地方では、女の子が産まれたらブレッチェルが贈られるそうです)
「beygl」は、産後の母親を思いやる、日本でいう「鯉こく」や「もち米」のような存在だったのかもしれませんね。

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その起源説はいくつかあります。

有力なのは、オーストリア発祥説でしょうか。
時は17世紀、オーストリアのハプスブルク家。
1683年 対オスマントルコ戦争の際、トルコ軍に包囲されたウィーンへ援軍を送ってくれたポーランド王ヤン三世へ、ウィーンのユダヤ人パン職人がハードロールを献上しました。
それが、乗馬好きの王の(もしくは騎兵隊の突撃を記念する)ため「あぶみ」の形を真似て作ったため、ドイツ語のあぶみを意味する「buggel(ビューゲル)」が由来となっという説。

オーストリア方言で三日月状の発酵菓子(クロワッサン)を意味するbeugel(ボイゲル)から変化したという説。

ただ単にあぶみbuggel(ビューゲル)型のパンがリング状にかわったという説。

リング・ブレスレットを意味するイディッシュ語の "bugel" またはドイツ語の "bugel" から来ているという説。

などなどあります。

いずれにせよ、あぶみ型、円形、リング型のパンというのが由来となっているようです。
東欧系ユダヤ人が好んで食べていたこのパンが、やがて世界中に移住したことにより各地に広がります。

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19世紀末には、アメリカ大陸で広がります。
中でも、特にニューヨークで浸透していきます。
ニューヨークには、ユダヤ系移民が多く「コーシャ(ユダヤ教の戒律に従った食事)デリカデッセン」が数多く存在しました。
ベーグルはコーシャの代表的なメニューのひとつとして栄えます。
やがて、ユダヤ教徒以外でも「(比較的)低カロリー」「低脂肪」「ノンコレステロール」と、ヘルシー食としても注目をされながら1980年代に爆発的に普及しました。

ベーグルが日本に入って来たのは、1982年。
アメリカ人ジャーナリストが、東京に「Fox Bagels(フォックス・ベーグルズ)」という専門店を開いたのが、最初とされています。
今までのパンには無い食感とヘルシー食として、女性を中心に注目を浴び浸透しました。
今ではすっかり定着し、もはやあちこちで購入できるほど市民権を得てるベーグルですが、日本における歴史は25年と、パンに比べるとかなり浅いのですね。

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と、長くなってしまったので、本題にたどりつかず今日はここまで。
〜その2へ続く


*参考にしたサイトと本*
@bagle cafe http://homepage3.nifty.com/bagel/bagel/what1.htm
Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%AB
ベーグルが主役のホームページ http://www3.osk.3web.ne.jp/~komatsu/bagel/Baboutbagel.html
『パン「こつ」の科学 』 吉野精一
『パンの教科書』 ブーランジェリーコム・シノワ 西川功晃



posted by ちい at 23:20| Comment(5) | TrackBack(0) | パン雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月08日

ライ麦を知る

ちょっと疑問に思ったこと。
知ってみてなるほどと思ったこと。
ちょっとパン作りに役立つヒント。

そんなパン作りにまつわるあれこれを「パン雑談」としてページに残していきたいと思います。

今回は「ライ麦」。

JDサリンジャーの「The Catcher in the Rye(ライ麦畑でつかまえて)」が村上春樹さんの訳で再び注目を浴びましたが、日本ではそんなライ麦畑はなかなかお見にかかれないですね。

小麦・大麦に次ぐパン食文化圏の主要穀物の一つで、その耐寒性から北欧やロシアドイツなどの寒い地域で広く栽培されています。
また、麦芽はウォッカやウイスキー、ビールの原料にもなります。

ライ麦粉は、その名の通り小麦とよく似たライ麦から作られる粉です。
特徴的な点を次のとおりまとめてみました。

・色が黒味を帯びていることから、黒パンとも呼ばれる。
・グルテニンが含まれていないため、水分でこねると粘着性のみ出てグルテン膜はつくられず生地が’ふっくら’しないことから小麦粉と混ぜて使うのが一般的。
・酸性になると粘り気がでることから、乳酸発酵を用いられることが多い。
・良質たんぱく質が豊富でビタミンBミネラルや食物繊維が含まれることから、小麦粉より栄養価が高いとされている。
・小麦粉より水分をたっぷり吸収することから、パンの老化を遅らせることができる。

そんなライ麦粉の比率が高くなるほどに、黒っぽく目の詰まった重量があるしっとりパンになります。


ライ麦パンというと、私は思い出のお店があります。

吉祥寺の『ベッカライカフェ・リンデ』

ドイツパンの専門店です。
店内は、正統派ブッツェルから覚えきれないほどの種類のライ麦パン、それを使ったサンドなどが所狭しと並んでいます。
中にはライ全粒粉100%でできたロッゲンフォルコンブロートという真っ黒いパンも!
珍しいです(よね?)。

息子を妊娠中、辛く重いつわりの時期を越えてやっと習い始めたマタニティヨガの帰り道。

無性にライ麦パンが食べたくなり吸い寄せられるようにお店へ。

きっと、お腹の子はドイツパン好きなのかな〜なんて思いながら、カフェでいただき、テイクアウトもしての、まさにライ麦三昧でした。

店内には、ドイツパンへのこだわりが、あちらこちらにめぐらされています。

おかげで親子してすっかりドイツパンのファンになりました。





*参考にした本*
『イチバン親切なパンの教科書』坂本 りか
『パパンがパン』パンの会編

posted by ちい at 22:33| Comment(4) | TrackBack(0) | パン雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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